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歩行訓練を希望される盲ろう者のみなさまへ

歩行訓練の出発点

歩行訓練は、単に歩くためだけに行うものではありません。盲ろう者への教育の観点や、リハビリテーションの理念も含まれています。 「歩く」ことは「生きる」こと。歩行は人としての日々の生活や、社会活動と密接に関係していることを忘れてはいけないと思います。

訓練は、盲ろう者自身の「歩きたい」という意思に基づき行います。専門の指導者(歩行訓練士)が、対象者の視力・視野などの心身の状態、年齢、基礎的能力、生活環境、家族の理解度等を考慮し、個人のニーズやレベルに応じて無理のない状態で受けられる最良の方法や内容を検討し、進めていきます。


歩行訓練の最終目的

訓練を終えた盲ろう者のみなさまが、「歩く」ことを通して社会参加の機会を広げ、様々な経験をし、ご自分の人生をより一層豊かなものにして欲しいと思います。そして盲ろう者のことを知らない一般の方々に、「盲ろう者は支援があれば何でもできる」ということを、盲ろう者自らが社会に広く発信していただければこんなにうれしいことはありません。


歩行指導を受ける対象者

盲ろう者の方を対象に訓練を行います。又、盲ろう者を手引きする際の知識として「訓練を受けたい」と希望される盲ろう以外の方も対象とします。


屋内空間の指導(白杖を使用しない歩行技術)

歩行訓練では、屋内を単独で移動できるようになることを目標に、訓練を行います。 まず、グループホームや施設内等にある触地図に触れ、館内や部屋の配置がイメージできるようにします。 その後、居室内の移動や、居室とトイレ、食堂、浴室等の間を単独で移動できるようにします。 頭の中に地図を描くことや、壁や手すりを片手で触れながら歩く「伝い歩き」の方法、居室内や廊下を横断する(空間を歩く)際に行う「防御の姿勢」や、背中を壁につけて身体の向きを決める、「方向の取り方」等の訓練を行います。(マンツーマンで指導)


白杖操作技術の訓練

基本的な白杖の使用法を学びます。

①手引き時の白杖の持ち方(構え方)、白杖の置き方

②白杖による防御

③白杖による伝い歩き

白杖を身体の前方で左右(肩幅よりやや広め)に振って歩くことにより、身体の安全を確保するとともに、段差、壁、溝の発見やそれを利用した歩行(伝い歩き等)をします。

学習時間

1日x1コマ60分間(習得には10コマの受講が理想的です)。 

マンツーマン方式で、繰り返し練習します。

対象者、受講者の学習進度に差がある場合は、早い段階で個々に補習を行い、理解を深めます。

場所

NPO法人ヘレンケラー自立支援センターすまいる(予約制)


指導担当

石塚 由美子(聴覚障害者)

音声が必要な場合は通訳が同行します。

場合によって、外部の講師に助言としてご協力いただくことがあります。



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