()トップページの本文()

掲載記事

PDFはこちらから①

PDFはこちらから②


DbI Review 46号(2011年1月~6月)
大阪における盲ろう者 盲ろう者の祭典in大阪


盲ろう者のサービス・センター「すまいる」は1999年、日本の大阪で盲ろう者のために設立されました。盲ろう者が積極的に暮らし、社会で対等な一員として受け入れられるように「すまいる」の創設者によって、幅広いサービスが開発されてきました。

2010年11月13日、日本の大阪にある門真市民文化会館において、創立10周年を祝しました。この周年祭は障害に関する啓発を地元で行うことを目的として、開催されました。盲ろう者はどこにでもいる、そして自立した生活を送る可能性と能力を持っている、これが「すまいる」のメッセージです。このイベントでは、盲ろう者が主役となり、すべてのパフォーマンスを披露し、自分たちの力を発揮しました。

「第5回盲ろう者のビッグ・ステージin大阪2010」では、盲ろう者が主演した自主制作映画を上映したり、盲ろう者による和太鼓の演奏や舞踊を上演したりしました。この自主制作映画では観客に盲ろう者の直面する課題やニーズを訴えました。

これらのパフォーマンスの練習をする過程で、最も難しかったのは盲ろう者に音や動きを理解してもらうことでした。音楽やダンスはさまざまな感情を呼び起こし、それらは象徴的な表現に結びつきます。「するどい」音とはどんな音か、「のびのびした」音はどうやって出すのか、「だらんとした」動作とはどんな動作なのか、「力を抜いた」動作とはどうやってするのか、などを理解するには大変な忍耐と創造性が必要でした。見えたり聞こえたりしている人にとって、自分たちが実際に見たり聞いたりしていることを盲ろう者に説明するのは大きなチャレンジでした!触覚を使い、体当たりで説明しました。

盲ろう者は大変な苦労をしながらも、和太鼓を演奏したり、ダンスを上演したりすることによって、肯定的な経験をすることができました。彼らはこの経験を通して、新しいスキルを身につけただけではなく、新たな自信をつけたのです。ビッグ・ステージは盲ろう者にとって、自己表現と自己実現のための大きな機会でした。

観客にビッグ・ステージを楽しんでいただき、また、盲ろう者が目標を達成でき、非常に嬉しく誇らしく思っています。確かに、見えない聞こえない世界に生きることには不利益が伴います。しかし、同時に今回のステージでの経験は盲ろう者に「新しい世界」に飛び込むすばらしい機会でもありました。

最後に、祝電をいただきましたDbI会長のウイリアム・グリーン氏に御礼申し上げます。