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日本初、大阪市に盲ろう者グループホーム開所(24時間職員常駐でサポート)

(2017 SPRING No.155季刊みみ)

全国初の盲ろう者(目と耳の両方に障害をもつ障害者)専用のグループホームが2017年3月1日、大阪市でオープンしました。運営主体はNPO法人視聴覚二重障害者福祉センターすまいる(以下、すまいる)。先立つ2月19日に完成を祝う会が行われ、全国各地の盲ろう者関係者約80人で、この完成を祝いました。

すまいるは、盲ろう者の「福祉就労の場」、「日常のいこいの場」としての拠点を大阪市に構え、日中の活動をサポートしています。そのようにして、盲ろう者の主体性を尊重し、1999年より社会参加の支援に取り組んでいます。利用者や家族からすまいるに、盲ろう者のケア付き住居設置の要望が出されていたことから、長年、関係者との協議を重ねた結果、拠点から徒歩3分の場所に盲ろう者に特化したグループホーム「すまいるレジデンス for the  DeafBlind(愛称、ミッキーハウス)」を新築、開所することが実現しました。

ホームでは、盲ろう者個々の障害の特性に配慮した環境で、家事をはじめとした日常生活ができるよう、盲ろう者についての知識を持つスタッフ10人が交代で24時間常駐、サポートをします。5階建ての建物に全10室の完全個室(7・58~8・05㎡)。朝昼晩の食事付(実費)、足が伸ばせる風呂付き、外出自由、ホーム内の車いすの移動が可能です。また、共有スペースでの交流なども可能です。

各部屋の前にはインターホンがあり、ボタンを押すと、ベッド下にある装置が作動して振動で知らせます。手すりや床、風呂やトイレの入り口などには、点字が付けられたり、各階毎に弱視者に対応した色分け等で、プライバシーを守りながら、盲ろう者が自分で情報を得られるよう、様々な工夫が凝らされています。

定員は10人で、現在、7人が入居を希望しています。三重県や鹿児島県から移住する方もいます。

厚生労働省の調査で、盲ろう者は全国に約1万4000人いると推定されていますが、これまでに専用の入居施設はなく、自宅で引きこもりがちになったり、一人では情報が得られず、通常の施設に入居しても孤立してしまうケースも少なくありません。

すまいるは盲ろう者の自立をめざし、このたび開所されたグループホームへの入居を全国に呼びかけています。自ら盲ろう者でもある、すまいる理事長の門川紳一郎さんは「周囲の支援を得ながら、盲ろう者が安心して楽しく生活できるような場所にしていきたいですね」と、このたびの開所の喜びを語りました。