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「すまいる」(大阪)が府の委託でネイルケア等に挑戦


NPO法人ヘレンケラー自立支援センターすまいる(大阪市)は8~9月、大阪府の委託を受けて盲ろう者のためのワークショップ事業を主催しました(全6回)。盲ろう者がやりたいと思っていてもできなかったことができるようになること、生活や心の質を高め、相手のことを知り、自身のことをさらに外へ伝えられるようにすることを事業の目的としました。

事業には、インクルーシブデザインアパレルブランドの「sakae」が全面協力。同ブランド代表の田村優季さんの祖母が盲ろう者で、盲ろう者が生きがいを持てるような『インクルーシブな社会づくり』に協力したいと申し出たことがこの事業のきっかけです。

これまで開催された4回のワークショップの様子を紹介します。この後、ヨガ、商品デザイン、パソコン教室が予定されています。


ネイルケア・ハンドケア きれいな爪ワクワク

8月7日(第1回)、盲ろうの女性5人が参加しました。田村さんやプロのネイリストら3人の講師が1人1人の爪の形や状態に合わせて丁寧に指導。参加者たちは爪がきれいになると気持ちが上がることを実感しました。小道具などもその場で人手できて、家でのお手入れもバッチリ!


ジュエリーコースター作成 難しい作業も慣れた

8月21日(第2回)、盲ろう者11人が参加。材料のネットとメルヘンテープの色を手触り等で選び、テープを紐状にしてネットの前後に通す作業をしました。一見、難しい作業でしたが、全員すぐに慣れました。


ちくし春さん講演会 おしゃべりにも花!

8月29日(第3回)、盲ろう者16人が参加。トランスジェンダーのタレント、ちくし春さんの経験も交えて、LGBTQに関する知識を学びました。苦しさのあまりに自殺を考えたこともありましたが、現在は家族の理解が得られて、信頼できる仲間に囲まれているとのことです。講演後は参加者とのおしゃべりに花が咲きました。


さをり織り体験 色鮮やかさに笑顔

9月4日(第4回)、盲ろう者10人が参加。縦糸が通された織機の中から好みの色を通訳介助者から教えてもらって選び、横糸も選んでシャトルにセット。右足でペダルを踏んだらシャトルを通し、筬を手前に、その次は、逆に、という動きを繰り返します。さらに「変わった糸を織り込みたい」「綿も入れてみよう」といった工夫が凝らされ、カラフルな色の織物ができあがりました。


盲ろう者支援センター 全国で5例目 滋賀で開所

6月1日、滋賀県盲ろう者支援センターが同県近江八幡市で開設されました。「しが盲ろう者友の会」が県から委託を受けて運営するものです。これまでも行政の補助を受けた支援センターが東京、兵庫、鳥取、神奈川で設立され、滋賀で5例目となります。盲ろう者向け通訳・介助員養成および派遣事業、相談支援事業、生活訓練事業などが行われています。

大阪では「すまいる」(本紙上の記事参照)が同じような機能をもち、かつグループホームも運営しています。

全国盲ろう者協会は、今後も、各地にこういった盲ろう者に特化した支援センターが設立されるよう、側面的に支援し、行政への働きかけもしていきたいと考えています。




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