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「盲ろう者よ、安楽死を選ぶな!」


多くの方がすでにご存知だと思いますが、 ベルギーのブリュッセルでは昨年の12月14日に双子の盲ろうの兄弟が安楽死を選んだようです。 この双子の兄弟は共に元々聴覚に障害があり、その後視力も失ったそうです。また、別の情報によると、 二人は盲ろうに加え他にも障害があったそうです。

このニュースが報道されたのは兄弟の死から1ヶ月も経過した1月14日です。 なぜ1ヶ月も経過してから報道されたのでしょうか。ロイターの記事によると、安楽死を選んだ理由として、 「互いの声も聞けず、顔も見られないことが耐え難かった」としていますが、実際のところは どうだったのでしょうか? もし、彼らにきちんと支援の手が差し伸べられていたら?もし、彼ら二人が 「盲ろう者として生きる」ことの楽しさを知っていたら?

もし、彼らが周囲や仲間たちとの「コミュニケーションの楽しさ」を知っていたら?死を選ぶことは なかっただろうと考えます。

「盲ろう」だからといって安易に安楽死を選んでしまったことはとても残念です。以下ロイターの記事を転載します。


[ブリュッセル 14日 ロイター]
聴力と視力を失ったベルギーの双子の兄弟が、 同国で合法化されちる安楽死によって死去していたことが分かった。ブリュッセルの病院担当者が14日、明らかにした。 2人はいずれも45歳で、生まれつき聴覚に障害を持ち、後に視力を失った。互いの声も聞けず、 顔も見られないことが耐え難いとして安楽死を選択。2人はコーヒーを飲み交わした後、互いに別れを告げ、薬物注射によって死去した。 病院の担当者によれば、2人が死去したのは昨年12月14日で、家族も2人の意思を尊重していたという。ベルギーでは2002年に 安楽死が合法化され11年には1133件の安楽死があった。そのうち86%が60歳以上で、72%ががんに冒されていた。 同国で安楽死を希望する患者は成人で判断能力がある人物でなければならないほか、持続的で耐え難い精神的・ 肉体的苦痛を感じていなければならないなどと制限が設けられている。