()トップページの本文()

愛の輪30周年特別企画 ありがとう!私の愛の輪02

PDFはこちらから

愛の輪30周年特別企画 ありがとう!私の愛の輪02

ヘレンケラーのような人の存在を多くの人に知ってほしい。
第8期ダスキン障害者リーダー育成海外研修派遣生
1989年/アメリカ合衆国
現:NPO法人視聴覚二重障害者福祉センターすまいる理事長
門川紳一郎さん SHINICHIROU KADOKAWA

Profile
 大阪出身。大学卒業後の1989年1月~3月、第8期研修派遣生として米国ヘレンケラーナショナルセンターで研修。’90年から4年間、米国のギャローデット大学、ニューヨーク大学へ留学。’99年に設立したNPO法人視聴覚二重障害者福祉センターすまいるを通じて積極的に活動している。

視聴覚二重障がい者(盲ろう者)の総合的リハビリテーションセンターとして世界的に名高いニューヨークのヘレンケラーナショナルセンターに研修に行って数週間後、指点字や通訳を担当してもらっていた支援者が急病で帰国した。突然の出来事で直ぐに交代要員がみつからず、一人で行動することに。「困ったことに、アメリカでは手話がコミュニケーションの方法。日本で使っていた指点字は通用しないので研修もままならないような状態でアルファベットの指文字を一から学び始めました。」
そんな中、忘れられない出会いもあった。ボストンのパーキンス盲学校で知り合った全盲ろう(全く見えず聞こえない)のインド人留学生バピン(通称)に刺激され、考えが大きく変わった。「彼は英語とアメリカ手話ができてどこへ行くのも一人。暗算も早くパソコンにも長けていてスーパーマンのようでした。バピンの真似はできないけど、手話をマスターしてもっとアメリカで学びたい」。手話の形を手で触れ、わからない時は指文字で単語を示してもらいながら時間をかけて一つずつ覚えていった。
1990年に再び渡米。大学で聴覚障害のリハビリテーションについて学んだ。「アメリカに行って一番変わったのは障害に対する私自身の受けとめ方です」。それまで「障害」に否定的なイメージがあったが、アメリカでは説明としての用語として、誰もが誇りをもって発言していた。「盲ろう者はサポートが必要ですが、震災などいつ一人で生きなければならない状況が来るかわかりません。そのためにも人生の喜怒哀楽を存分に感じながら暮らせる場所を築くことが目標です」。

指点字・・・両手甲に左右の人差指、中指、薬指で点字タイプライターのように点字を打つもの。
指文字・・・指をいろいろな形に組み合わせて文字の代わりにする符合。