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暗闇と盲ろう者への理解深めて
NPOが映画を自主制作
来月13日、イベントで公開


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「天王寺区」
 視覚と聴覚の両方に障害がある盲ろう者らのNPO法人「視聴覚二重障害者福祉センターすまいる」(天王寺区上之宮町)が、障害をテーマにした映画を自主制作した。11月13日のイベントで初公開される。
 タイトルは「道ゆかば」。同法人創設10周年を記念し、盲ろう者について理解を広げようと制作した。ことし初めに準備にかかり、7月に撮影した。
 物語は青年「けんた」が主人公。大学に行きながらも障害のために孤独に陥り、献身的にサポートする女性に出会い立ち直ったかに見えたが、突然、違う苦しみにさいなまれる―と、ストーリーは展開していく。
 演じているのは同法人の関係者。撮影は映像の専門学校に通う学生が授業の一環として協力した。現在、11月13日のイベント「第5回盲ろう者のビッグステージinOSAKA2010」での公開に向け、ナレーションや編集作業を行っている。
 主人公の中年時代を演じた堺市の中本謙次さん(57)は「同じ障害があるものとして、死にたくなり、閉じこもってしまった主人公の気持ちはとてもよく分かった。映画で盲ろう者への理解を深めてもらえれば」。
 モデルになった門川紳一郎理事長(45)は「私たちを障害のあるかわいそうな人という視点ではなく、普通に泣いたり笑ったりする1人の人間として見てほしいという願いを込めた。好評なら学校などで上映会を開きたい」と話している。(椎葉直)

写真:盲ろう者をテーマにした自主制作映画「道ゆかば」の撮影風景