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門川理事長、ESCAPアジア太平洋障害者の十年(2003~2012年)実施に関する最終評価のためのハイレベル政府間会合に出席


2012年10月29日~11月2日、大韓民国・インチョンにおいて、ESCAPアジア太平洋障害者の十年(2003年~2012年)実施に関する最終評価のためのハイレベル政府間会合が開催され、世界盲ろう者連盟アジア地域代表代理として、門川理事長が出席されました。



<写真:会場の様子>




<写真:会議フラッグ>




今回の会合の主な目的は

① 第二次アジア太平洋障害者の十年の実施に関する最終評価
② 第三次アジア太平洋障害者の十年の開始
③ 第三次アジア太平洋障害者の十年を推進するためのインチョン戦略の採択でした。


<写真:会場の様子>



<写真:展示(障害者団体のブース)>



<写真:展示(韓国の伝統民芸品)>




この会合で発言権と議決権を持つのは政府代表のみです。

今回は第三次アジア太平洋障害者の開始にあたり、実質的な方策となるインチョン戦略が採択されます。これは政府にとっても、障害者にとっても今後の十年の障害者運動や障害に関する開発を左右しかねない大きな方策です。ハードなスケジュールで会議は進行されました。

貧困や災害に苦しむ国にとってはハードルの高い方策となるのはなんとしても避けたいところです。しかしながら、貧困と災害で一番苦しむのは弱い立場の障害者です。政府への障害者団体のロビー活動は粘り強く行われます。障害者団体が政府に申し入れを行っても、政府が必ずしもその内容を発言してくれるとは限りません。

採択直前の文書を確認したところ、やはり盲ろう者をはじめとするコミュニケ―ションに困難を抱える人がおきざりにされています。門川理事長は再度、日本政府と直接、交渉をします。会議がどんどん進行する中、本当に日本政府が発言してくれるかどうか、それが会場に受け入れられるかどうか、きりきりとしながら会議の進行を見守ります。会場後方から祈るように日本政府をみつめていると、議長に文書を後戻りして、修正を申し入れてくれたのです。この成果は非常に大きなものです。

インチョン戦略では次の部分に「盲ろう」という文言が明記されています。(該当部分のみを抜粋)


***
目標5 障害のある子どもへの早期関与と早期教育を広めること
進捗状況を確認するための指標
補助指標
5.7 支援機器、調整されたカリキュラムおよび適切な学習教材を与えられた、知的障害、発達障害、盲ろう、自閉症およびその他の障害のある生徒の割合
***

●日本から参加した難聴者がリレー文字通訳を利用していました。(会場の音声を日本に送り、日本で文字通訳を入力し、それを韓国で読むという遠隔による通訳。)
●会場では様々な障害者団体のブース展示が行われました。
●アジア太平洋障害チャンピオン賞が創設されました。第1回目の受賞者は9人。日本からは日本障害フォーラム(JDF)幹事会議長の藤井克徳氏(視覚障害)が受賞されました。


<写真:指点字通訳と文字通訳>



<写真:アジア太平洋チャンピオン賞を受賞したモンティアン・ブンタン氏と理事長>



<写真:アジア太平洋チャンピオン賞を受賞した藤井克徳氏と理事長>



<写真:音響信号>




「ESCAP」とは

United Nations Economic and Social Commission for Asia and the Pacific(国連アジア太平洋経済社会委員会)の略。

本部はタイ・バンコクにある。

国連経済社会理事会の一つ。アジア太平洋地域の経済や社会開発のための協力機構。地域の重要な基盤作りに貢献。近年は障害者、高齢者対策、災害の分野でも取り組みを強化。



「アジア太平洋障害者の十年(1993~2002年)」とは

第一次十年。

国連障害者の十年(1983~1992年)に続く取り組み。

障害者の質を高めるための12の政策目標を決定し、ESCAP国が障害者の完全参加と平等の実現に取り組むための宣言。



「アジア太平洋障害者の十年(2003~2012年)」とは

第二次十年。

行動計画となるアジア太平洋障害者のためのインクルーシブでバリアフリーかつ権利に基づく社会に向けた行動のためのびわこミレニアム・フレームワークが採択。

びわこミレニアム・フレームワークでは優先的行動のための7つの分野が挙げられ、 それぞれに重要課題、目標及び求められる行動が提示。




「アジア太平洋障害者の十年(2013~2022年)」とは

第三次十年。

インチョン戦略が採択。

インチョン戦略は10の目標が掲げられ、それぞれの達成すべきターゲットと進捗を図る指標が設定。