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門川理事長、アジア太平洋2015年以降の障害インクルーシブな開発課題に関する地域コンサルテーション会議に出席

2013年3月15日~16日、タイ・バンコクにおいて、アジア太平洋2015年以降の障害インクルーシブな開発課題に関する地域コンサルテーション会議が開催され、世界盲ろう者連盟アジア地域代表代理として、門川理事長が出席されました。

この会議を主催したのはタイ政府で、オーストラリア政府、国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)、アジア太平洋障害開発センター(APCD)が協力しました。



<写真:会議を聞く市民社会団体の参加者>



<写真:モンティアン・ブンタン氏(視覚障害のタイ国会議員)>



この会議は87の政府代表、28の障害者団体、その他NGOなどから50人の参加があった、とても規模の大きなものでした。

会議の目的は「ミレニアム開発目標」後の開発の枠組みにアジア太平洋地域の視点を盛り込むことでした。

「ミレニアム開発目標」とは開発分野における国際社会共通の目標です。2015年までに達成すべき8つの目標を掲げています。目標達成期限の2015年が迫る中、今後に向けての動きが出ています。

2013年9月には国連本部で「ミレニアム開発目標」後の開発枠組みについて政府会合が持たれます。ここで政府が国連に提出する文書にアジア太平洋と障害の観点を組み入れるために、2日間の協議を行いました。


門川理事長は今回の会議の成果文書に盲ろう、そして情報やコミュニケーションに困難を抱える障害者を明記させるべく、世界ろう連盟やインクルージョン・インターナショナル(知的障害者とその家族の国際組織)と交渉、調整をし、会議に提出した結果、成果文書に盛り込まれることになりました。



<動画:発言する門川理事長>


ありがとうございます。

世界盲ろう者連盟の門川です。

今回、とてもすばらしい修正をしていただき、大変嬉しく思っています。ありがとうございます。ただ一つ、ろうあ連盟からもコメントがあったように、具体的な例示を入れていただきたいと思います。

手話・点字、そして盲ろう者のコミュニケーションである触覚コミュニケーション、視覚障害者等々にとっても、わかりやすい重要なマテリアルなどはまだ一般的には広まっていないからです。

これらが当たり前に使われるようになってこそ、真の権利の保障がされると思っています。

ですので、さきほどのろうあ連盟、そしてインクルージョン・インターナショナルと、われわれ世界盲ろう者連盟で昨日も提案させていただいたステートメントをぜひ入れていただきたいと思います。ありがとうございます。




今回の会議は盲ろう者にとって非常に困難な会議でした。まずは会議の進行をおいかけますが、発言だけではなく、成果文書を作るためにスクリーンには文書案も出されます。

この会議は政府の会議ですので、議決権を持つのは政府です。つまり成果文書に障害者のニーズが盛り込まれるかどうかは、政府が決めるのです。政府に説得力のある意見を提示するためには、実際に政府と交渉したり、他団体と意見をまとめる折衝をしたりしなければなりません。会議進行中にです。

また、会議中に発言を希望する場合には、事前に事務局に発言内容を書いて提出しなければなりません。

あちらこちらから断片的な情報がもたらされる中、成果文書に意見を提言した門川理事長、すばらしい!



<写真:会場の様子>



<写真:世界ろう連盟アジア地域事務局長の宮本一郎氏と理事長>




「ESCAP」とは

United Nations Economic and Social Commission for Asia and the Pacific(国連アジア太平洋経済社会委員会)の略。

本部はタイ・バンコクにある。

国連経済社会理事会の一つ。アジア太平洋地域の経済や社会開発のための協力機構。地域の重要な基盤作りに貢献。近年は障害者、高齢者対策、災害の分野でも取り組みを強化。



「アジア太平洋障害者の十年(1993~2002年)」とは

第一次十年。

国連障害者の十年(1983~1992年)に続く取り組み。

障害者の質を高めるための12の政策目標を決定し、ESCAP国が障害者の完全参加と平等の実現に取り組むための宣言。



「アジア太平洋障害者の十年(2003~2012年)」とは

第二次十年。

行動計画となるアジア太平洋障害者のためのインクルーシブでバリアフリーかつ権利に基づく社会に向けた行動のためのびわこミレニアム・フレームワークが採択。

びわこミレニアム・フレームワークでは優先的行動のための7つの分野が挙げられ、 それぞれに重要課題、目標及び求められる行動が提示。




アジア太平洋障害者センター

Asia-Pacific Development Center on Disabilityの略。

拠点はタイ・バンコク市内。

1998年、ESCAP会議で障害者の地域支援戦略が採択されたことを受け、日本政府がJICAを通してセンターの設立に貢献。

特に途上国における障害当事者の支援と地域協力が目的。


http://www.apcdfoundation.org/